低周波音は聞こえる?

エコキュートはあなたの隣のレッド・オクトーバー

 「レッド・オクトーバー」と聞いて、「フーン」と来る人はある程度の映画好きか、サスペンス系の小説の好きな人です。「なに、それ?」と思う人はもう少し読めば解ります。

 さて、毎回くどいのですが、人間に聞こえる音の範囲は、もちろん音の大きさ(音圧)が一番関係しますが、高い低い(周波数)に限って言えば、その範囲(可聴域周波数)は、個人差や年齢差が結構ありますが、およそ 20,000Hz (20kHz)〜20Hzと言われています。

 当サイトとしては「低周波音ってどんな音?」と聞かれたときのために、一応低周波音域の周波数の「音の見本」みたいなものつくってみました。(正弦波のWAVE ファイルをFritzの周波数作成ツールで作成)

 もちろんそれこそ「作り物の音=純音」ですので、唸りや反響を伴い広範囲に聞こえるであろう現実音とは全く異なるのですが、一応、「どんな雰囲気の音」くらいは解るのではと思います。単にどのくらいの低音まで聞こえるかくらいは試せます。

 もちろんPCではその再生能力とスピーカーの性能により全く異なります。特に、PCのスピーカーは貧弱なので、低周波音そのものが発生されていない場合が殆どです。できれば少々値の張るイアースピーカー(ヘッドホーン)か、外部オーディオに繋いで聞いてみるのがよろしいでしょう。


 で、まずは「低周波音は聞こえます」と言うビデオファイルで試してみてください。ここでは、これ以下は低周波音とされる80Hzから10Hzまでのノイズが、およそ5秒弱ずつで、10Hzずつ音程が下がっていきます。早い話が下記の各周波数のファイルを繋ぎ編集したモノです。

 周波数が下がるにつれ、段々音が小さくなって行くように感じますが、実は、どの周波数の音も同じ大きさ(音圧は一緒)です。即ち、実際の「聴感上低くい音ほど小さく聞こえる」と言う理論が実地に体験できます。そして、一般的には、20Hz、あるいは10Hzではほとんど何も聞こえなくなります。もし何か聞こえればそれはアンプなどのハム音と思った方が良いでしょう。後半は、超低周波空気振動のデモ・ビデオとなっています。

 ネット上ですと、ネットの接続状況やPCorSPの性能によりまちまちで何とも言えません。因みに私のデスクトップPCは1000円くらいのチャチイ外部スピーカーが繋いであるのですが、20Hzの音は「ブツブツ…」と言うような音に聞こえます。このところ2万円くらいのアンプ付きSPにしたのですが、15HZまでかなり結構な音で聞こえます。

 しかし、PCの音を外部出力端子からコードでステレオ装置に出力し、ステレオのウーファーを少々効かせ、音量を少し上げると、20Hz、10Hzは「ほとんど無音の空気圧」として充分”感じ”ます。これこそがこのところ私が言っている低周波空気振動です。

 できれば、デモ用に造ってYoutubeにアップロードしたDVD「低周波音は聞こえます」をダウンロードして大きめのスピーカーで聞いてみてください。

 何よりも一番聞いてほしいのは、本当は行政の窓口にしばしば居そうな、端から「(100Hz以下の)低周波音は聞こえない」「そして、聞こえない音は人間に影響を及ぼさない」などと嘯いている無知な低周波音”専門家”たちなのですが、(最近の単なる無知なるオーディオ××もこの傾向があるのですが)恐らく彼らは文字通り「聞く耳そのものを持たない」でしょうから無理な話かも知れません。

 以下の各周波数のファイルは、ビデオファイルの元の音ですが、上記で述べたように、全て同じ音圧(大きさ)です。もし、低い周波数の音ほど小さく聞こえればあなたの聴覚は正常です。しかし、この事実こそ「低い音ほど聞こえにくい。もっと低くなれば聞こえない」。それを聞くにはより大きな音圧でないと聞こえないという聴覚閾値の話しとなり、ひいては低周波音”専門家”達が言うところの、「低周波音は聞こえない。聞こえない音は人体が認識していないのだから、人体に被害は無い。まして聞こえない(ことになっている)超低周波音で被害など有り得ない」と言う、超飛躍した話しになり、この理論こそが、現在の低周波音問題”黙殺”の根拠となっています。

いろいろの低周波音 80Hz 70Hz 60Hz 50Hz 40Hz 30Hz 20Hz 15Hz 10Hz 25Hz&50Hz

 ※上記「いろいろの低周波音」の右端にある「25Hz&50Hz」こそ私をかくまでしつこく低周波音について喚かざるを得ない低周波騒音被害者にした元凶の大型輸送車のアイドリング音です。25Hzと50Hzの複合音です。パソコンで今聴いても吐き気がしてきます。トラウマでしょうね。しかし、なかなか「唸り」の感じが良く出ていて、”上出来”です。これのもっと大きな音を毎朝、毎晩、無理矢理、30分以上聞かせられてみてください。


 しかし、音は空気の振動が鼓膜を振るわせ脳に伝わり聞こえるのですが、仮に聞こえなくてもなくても「空気振動(敢えて、音とは言いません)と言うエネルギー自体が無いわけでは無く、「空気の振動エネルギー」そのものは有ることを上手く証明する方法」はないかと考えていたのですが、タイミング良く、おもしろい方法がみつかりました。そして、その方法こそ、このページをわざわざ、作った理由なのです。

 さて、その方法とは、つい先日、WOWOWで、今まで何故か見逃していた、1990年製作の米映画のレッド・オクトーバーを追え!を視ていて、ハッタと思いついたのです。もちろんこの映画は「米国への亡命を決意したソ連の原子力潜水艦長(ショーン・コネリー)が率いる原子力潜水艦をめぐる人々の思惑を描くポリティカル・アクション」として充分おもしろく、原作は、1991年のソ連崩壊を予言するように1984年に発表されたトム・クランシー初の長編ヒット小説で、今となっては、冒険小説と軍事小説の古典らしいのですが、当時は今のように自分が低周波騒音被害者になるなどと言うことは予想だにしていなかったので、小説は「おもしろかったなー」くらいで内容は記憶に残っていないのです。しかし、「音と脳」第1章「ローレライ」に触れた時点で潜水艦映画となれば何らかの形で引っ掛からなくてはならなかったはずなのですが、結局何も引っ掛からず、今になってしまった訳です。

 ここは、私がメインの趣味とする映画・小説のサイトではありませんので、メインのストーリーはおいて、音関係に絞りますが、「ローレライ」では「ソナーが人間」と言う点がポイントなのですが、今回のお話の重点は、潜水艦(レッド・オクトーバ)そのモノが持つ画期的な性能です。それは、実に、この潜水艦は、「駆動メカ部分が無いため米軍のソナーでも探知出来ない程の静音性を有す無音推進装置を持つ」という点です。音もなく走るので歩行者にとっては、返って危ないのではないかと言われているプリウスみたいなモノです。
 
 「静音性を持つ装置」?。どこかで聞いた文句ではありませんか?! そうです、エコキュートなどの最近の”低騒音機器”です。最近(2012年)の感覚では、私が直に聞いたと言うより感じた感じではエネファームの方がよりこれに近い感じでしょう。(私の場合、エネファームは聞こえませんでしたが、後で目眩などの影響が出ました。)

 お話とはいえ、静音性を有し、ソナーで探知できないと言うことは、隠密性が最大限の武器である潜水艦としては、レーダーに映らない戦闘機とか爆撃機と同じように、武器の最大の利点であり、奇襲が可能であると言うことです。米ソの争いで言えば、チェサピーク湾に進入し、この奥にある、米政治の中枢のワシントンを一発で仕留めることができると言うことです。でも地図を見ると、チェサピーク湾の入り口は幅20kmくらいしかない様なので、多分、無茶苦茶厳しい見張りがされているのでしょう。

 と言うことで、ある日突然、低周波音で攻撃されても、最初はその存在すらわからないエコキュート(エネファーム)は実に「お隣のレッド・オクトーバー」なのです。潜水艦は攻撃が終わればいなくなるでしょうが、エコキュートはなくならず、延々と低周波振動攻撃を続けます。もちろん、エコキュートや風車には国策という錦の御旗があるのですから、そもそも攻撃という事になっていませんし、、攻撃が自宅ではおいそれと逃げようがないわけで、裁判にしても勝てません。

 話しを戻して、この無音のはずのレッド・オクトーバーらしきモノを追跡していた米潜水艦のソナー員が、(当時の値段で)数千万円もする分析コンピューターが「マグマの音」(と言うことは多分超低周波音ですね)と分析した結果を置いておいて、自力でその不自然な音を抽出し、レッド・オクトーバーの存在を確認するのです。

 その方法とは、コンピューターが「マグマかイルカの音」と分析した音を録音し、「10倍の速度で再生」すると、それは「規則的な機械音」となるのです。実に、この「規則的な機械音」と言う点こそ人工物の証明なのです。そして、今当にこれこそ低周波音被害や低周波空気振動被害を引き起こしている元凶なのです。

 と言うことで、10Hzの「聞こえない”音”」も再生速度を上げることにより「聞こえる音」になるのではと推理したのです。


 「再生速度を上げれば、周波数が上がり聞こえるのは当たり前じゃん」と思う人もいるでしょうが、「聞こえない音は無いのと同じ」であるから、「聞こえない音では被害は無い!」と言う低周波音"専門家"達の説明からすれば、当たり前ではない話しになります。「仮に聞こえなくても、低周波空気振動のエネルギーそのものは決して無いのではなく、聞こえる音と同じようにエネルギーそのものは有るのであり、単に人間の脳が聴覚的に認識しないだけ、即ち”人間には聞こえないだけ”」即ち、「被害を与えるのは感覚ではなくエネルギーである」という考えが、当たり前に証明できるわけです。
 
 聞こえない音では被害が無い、と言う考え方は、視覚の観点から考えれば、”目に見えない細菌は無いから被害はない”、”遠い星は見えなから無い”、…と言うのと同じ考えです。しかし、花粉症の人は季節になると1mmの30分の1くらいの大きさのスギ花粉が見えるそうです。現実としては有り得ない話しでしょうが、ある意味脳が視覚的にそう思わせるのでしょうが、本当に数多く舞えば、花粉鈍感症の人にもそれなりの色が付いた空気になるのでしょう。

 それと同じ様な事が低周波音敏感者にも言え、近辺に漂う低周波音が”聞こえる”のです。本当は聞こえるのではなく、全身で感じるのですが、ひとまず"音"ですので、まずは聴覚的に働くのでしょうね。

 と言うことで、まずは、殆どの再生装置で聞こえないはずの10Hzのファイルを2倍のスピードで再生した音を聞いてみてください。それでも聞こえない人は4倍の速さで再生した音を聞いてみてください。10倍にしなくても聞こえます! 
 再生時間は1/2、1/4となり、何となく音は違うような気はしますが、理論上、周波数は20Hz、40Hzとなるはずです。そして、もちろん聴覚の問題で、気のせいと言うべきかどうかは置いて、音は大きく聞こえます。

 「コロンブスの卵」ではないですが、こうした、周波数を上げて音にするのと逆のこと(回転数を減らす事により、周波数を下げて、聞こえにくくする)ことこそがエコキュートなどが言う、「静音(=低騒音)化の技術」なのです。即ち、「10倍の速度で再生」すると言うことは「騒音化の技術」と言うことになります。騒音というと聞こえが悪いので「明音化」とでもしましょう。

 そして、もし、周波数を上げた音の方が元々の周波数で造った音より大きい音であるとすれば、その低周波空気振動エネルギーは大きい事になるのです。もちろんそれは機器としては、音は静か、尚かつより多くのエネルギーを生み出していると言うことで、機能的に向上していることになるのでしょうが…。

 レッド・オクトーバーのお話にケチを付ける気はないのですが、存在を解明する方法が見つかってしまってはその存在価値は半減以下になってしまうと思うのですが、これは冷戦下のアナログの時代の話、今はもっと巧妙な方法があるのでしょうが、現在の最先端の家庭用機器が極めてアナログ的な理論を使っているに過ぎないのは技術というのは案外大きな進展はないと言うことでしょうか。 

080506,121217


最後まで読んでくれてありがとう。

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