和歌山紀勢線から見えた風車
低周波音被害者は見ているだけで気持ち悪くなる
とうとうというか、やっとというか国民年金が受け取れる年齢になってしまった。生活設計は甘いながらもそれなりにしてきたつもりだったが、その虎の子を低周波音被害から逃れるための家に使ってしまい、何とも情けないことに文無しになってしまっている。格別”計算”をしていたわけではないが、これは私の人生で全くの計算外のことだった。人生設計が甘かったと言えばそれまでだが、”設計”した頃はもう少し若く、もう少し生きてみようと思っていたからかも知れない。
だが、やはりそれなりの蓄えがないと、単に「国民年金だけで生き続けよう」なんて言うコンセプトは日本国ではとても無謀な話であると遅まきながら最近気付いたのだが、時既に遅く、とてもではないが、暮らしていくことは無理で、やはり、欧州の税金並に収入の50%くらいを無理矢理にでも自分で貯金するか個人年金(その後(13/01/11)解ったのだが前からこれを「じぶん年金」と言うらしいが)でも掛けておかなくては、今の若者ともども人生の未来を思い描くことなど到底出来はしない。
ところがこの「じぶん年金」も”国家からの年金だけでは足りませんからどうぞ”と言うことなのだが、その手段が投信や債券投資では、それを退職後に投資初心者として始めたところで、まず間違いなく”銀行や証券屋のカモ”になることは間違いない。それも、これは国民年金以上に年金がある話で、上積みの年金となる原資を払っていない”じぶん年金”や国民年金だけで、老後を過ごそう等という不逞の輩の自営業者や農業従事者は”定年が無いのだから死ぬまで働けます”などと宣う。伺候して、自営業の老夫婦は幾つになっても”お元気”に営々と働き続ける事になる。彼らは決して何も仕事が好きだとか、生きがいとか等では決してなく、日銭を稼いでその日の食い扶持を稼いで行くしか生きる道がないのであろう。しかも持ち家でなくてはそれもできない。
ところが、学者さんもこのところ「「自営業を代々続ける」「夫が正社員」という2つの日本の典型的なモデルが成り立ちにくくなっています」とのべている。
持ち家が無く、車が無くても生活できる都会なら、この時代、アパート暮らしの「生活保護」で生きていくのが正解だ。一方、もし身内にそれなりの年金受給者がいれば簡単に死なせるわけにはいかず、”平均寿命が伸びていく”のも不思議では無い。同じ団地の近くで老人施設に両親を入れてしばらくして、家を売りに出して消えてしまった家があると言う。その他理由は解らないが、随分前から空き家のままの家も幾つかある。去るにはみんなそれなりに理由があるのだろう。
随分前からだが最近一層、TVドラマや映画までもがどうもストーリーが現実より浅く見えてしまうのは、将に「事実は小説より奇なり」の現実が間近にゴロゴロ有るからだろうか。
それにしても、自分の現実に戻ると既に私より年上で、国民年金だけしか受け取っていない人にはお解りだろうが、65歳の誕生月に早々と介護保険の請求が来る。当市ではご丁寧に銀行落としの手続をしておくようにと前月に引き落とし手続のお知らせをしてくれる。だが、もちろん年金が振り込まれるのはその月を含まない2ヶ月後なんだから、取るモノはチャンと早々と取る手続が取られるのだ。やるモノは完全後払いの手形みたいで恐れ入りすぎて、市役所に「幾らもらえるかそれもどうか解らないからまだ払えない」などとと文句だけ言ってもらえる月まで放って置いたら、年金振込1ヶ月前には介護保険未払の「督促状」なるものが来て恐れ入った。介護保険等という名前は間違っている。存在税or生存税とでも替えるべきであろう。今、年寄りの面倒を見ている人は「これがあって随分助かっている」と言っている。だが、団塊の世代の我々が本当にこれを必要となるときには、どう考えてもこの保険は破綻しているとしか思えない。
その証拠に「介護は家でやれ」「単なる延命治療は止めろ」「病院には長い間置くな」と言うようなあからさまな医療費節減の施策が次々と出てきている。まー、それはそれで仕方ないことで、家で静かに死にたいときに死なせてくれれば全く問題無い。だが、もし自分勝手に死ねばそれはそれで面倒で、罪もない家族を罪人にしてしまう可能性があり、自分はどう死ぬべきか考えると非常に難しい。元々お国を頼ってはいけないとは思っていたが、仕方なしに頼ってみると、やはり役にたたない。やはり中国のように「子どもが財産」でお世話になるのが永遠の正解か、等と思ってみたりもしたが、どうも昨今はそうは言っていられないようだが。とにもかくにも論理的に考えれば、貧乏人と言うより貯えの無い人間は働けなくなったら早々に死ぬしかない。
と永遠の繰り言を述べながらも先の短い蓄えを使い果たす勢いで、もう以前行ったのは何時だったのか忘れてしまったくらいぶりに熊野古道のホンの一部を歩きに南紀に出かけた。以前はまだ高速道路が和歌山くらいまでで、それから先は各入江をくねくねと回りくねって先へ進み、ウーン、紀伊半島を回るなら電車に限ると思って、今度はもちろん体力が愕然と落ちてしまっているせいが全てだが、電車で出かけた。
しかし、1時間に2本くらいの電車の時間に縛られこまごまとゆっくり回ることはできず、最初の和歌山の紀三井寺、和歌浦を回るには、行くのはタクシーで行っても帰りは呼んでも来ず、徒歩の帰りは結構大変であった。端から歩くのに疲れ、電車に乗り遅れてはヤバイと結局は予定の下車観光をほとんど飛ばしてしまった。
それにしても杞憂だが、もし本格的な津波が和歌浦に来たら紀三井寺などに避難するのかもしれないが、この階段はとてもじゃないが勘弁して欲しいモノだが、いざとなればそんなことは言ってられないのだろう。
最後の寄り道になった醤油の香り漂う湯浅から、白浜へ向かう電車からそれ程高くない山頂に突然風車群が現れてビックリした(右手の線路からの関係から気分的にはこれでしょうか)。そこから由良、日高、御坊と車窓のかなり近く、遠くにいくつもの風車群が通り過ぎた。写真は違うが、幾つかの地形は、海、街、線路、急峻な山。山にはミカン畑が続き、山頂には風車という順番で位置している。海岸際に平地が少なく、直ぐに山になっているような感じの地形が多く、少し奥まった山頂でも岬の様な感じになり、風車の風当たりは良さそうだ。それにしても、風車がこうして次々並んでいる情景を初めて見た。ここらは”風車銀座”とでも言えそうだ。止せばいいのに、電車が通り過ぎる間の短い時間見ていて、その内、目眩、吐き気がしてきて、何となくトンボの気持ちが解るような気がした。
そんな中、山の中腹に三井造船のカンバンが有り、何故こな所に船会社の宣伝なのかしら等と思ったのだが、後で調べるとここらには三井造船の風車建設計画(@A)があり、考えてみれば風車の塔は船と同じ鉄で造るわけで、船に比べれば造るのは寧ろ簡単なんだろうと後で思ったわけだ。
電車からの距離判断で何とも言えないが、風車の全高を100mくらいとすると、その見え具合から何となく民家から数百mの距離に有るのではないかと思うような風車も少なくない。風車近くの家では頭の上で風車が回っているような感じなのではないかと思い、これでよく風車問題が起きないモノだと思って後で調べてみたら、やはりそうではなく、「発電風車「うるさくて眠れぬ」 和歌山・由良の住民」という記事や、それに関連したブログもあった。
その騒音は記事に依れば”運営会社は、住民らの要望に応じて音を測定したが、「健康に影響を及ぼす可能性は極めて低い」とする報告書をまとめた。”と言ういつもの結果だ。これが”苦情が有れば対応する。しかし、測定してもそれは健康に影響をは及ぼさない程度だ”となり、それで終わりというのが風車騒音苦情処理の「いつもの書式」だ。
”眠れなくても人間の健康に影響はない”などと誰が判断したのか。「眠れない」と言うことがどれほど人間の健康に影響を及ぼすかを知らない医師は居ないはずだから、この結論に少なくとも医師は関与していまい。判断したのは、やはり「参照値」なのか。眠れずに引越も出来ないと少なくともヤギは死ぬ。人間は引越が出来るから死なずに済んでいる。
そう言えば、拙サイト「ネットで知る”風車建設&騒音被害への道”小樽銭函、岡山津山、兵庫北淡路、和歌山海南」で海南市のユーラスエナジー有田川ウィンドファームについては触れていたのだが、これは今回私が目にした風車より和歌山寄りの話だが列車から見えたのであろうか。ひとまず上記の和歌山の部分を再載すると
4)和歌山県 ユーラスエナジー有田川ウィンドファーム
出来てしまった風車の話になるが、山地では、1km近く離れていても地形と音の具合で、人がいれば被害が出る可能性の有る場合もあり、それが和歌山海南市の例だ。
風力発電の低周波によるとみられる健康被害対策に取り組む海南市の大窪区・加茂二地区人権尊重推進委員会(宮本芳比古会長)は31日、 大窪集会場で勉強会 「人権と風力発電を考える講演会」 を開いた。 元日赤内科部長の汐見文隆さんを講師に、 地区住民ら55人が低周波の人体に与える影響について学んだ。
同市、 有田川町、 有田市の3市町にまたがる地区では、 風力発電の設備10基が昨年10月に設置され営業開始しているが、ことし2月ごろから 「体がしんどくなる」 などの健康被害を訴える住民が出ている。ある住民は耳元で 「ツーン、 ツーン」 という深い音が鳴り眠れないので、 自宅を離れ親族の家などを転々としているという。
このため同区は風力発電の設置会社に対し、 直近風車の停止や、 低周波対策として被害者住居のリフォームを要望。県にも低周波被害調査と被害者救済対策を求めてきた。
勉強会で汐見さんは低周波の人体への影響やメカニズム、 症状などについて説明。 さらに県が民家内で測定した低周波数値について、 発電機を全機稼働した場合と全機停止した場合では明らかな差があるとし、 「この差が人工的な音源によることは明らか。 今後も被害を訴える人が出てくることも考えられる」 と指摘した。 数値は環境省が定める基準値を下回っていたが、 「現に健康被害が出ている」 として住民側は 「せめて1カ月は停止して本当に影響があるのかなど因果関係を調査してほしい」。 県環境管理課は 「測定は1回では分からない。 住民の協力を得ながら継続して測定し、 調査していきたい」 と話している。
現地を訪れた汐見氏のレポートでは、「現地を訪れますと眼前の山頂に10号機がそびえ立ち、その中間は谷になっております。非常に近く感じられる山彦的地形です。」と言うことである。(「風力発電公害追求 和歌山県海南市の風力発電機の住民被害について」より)
それにしても、普通は市役所などは門前払いを喰わせるはずなのに、和歌山県は県が最初から出てくるなんて、何とフットワークの良い県であろう(等と当時は思ったが市レベルの行政能力が低いと言う話しもある)。
海南市から有田川町の長峰山脈に10基ある風力発電施設について、低周波による健康被害を訴えている住民がいるとして、県は15日、騒音調査を行うことを明らかにした。9月定例議会で関係部局が一般質問に答えた。
健康被害を訴えているのは海南市下津町の60代女性で、昨年10月の風車稼働から約3カ月後、音が気になり眠れなくなり、その後耳鳴りや食欲減退を訴えた。「耳栓をしても音が消えない」など、耳ではなく骨を伝わる低周波被害の特徴があるという。現在、女性は別の場所に転居している。
県はこれまでに4、7月の2回、20ヘルツ以下の超低周波を測定できる機器で調査したものの、国の参照値を上回る騒音は出ていなかった。環境管理課では「最も風の強い11月ごろに第3回目の測定を行う」と答弁。また、さらに被害を訴える人が出た場合について、福祉保健部が「保健所の健康相談などで対応していく」と述べた。
人間には聞こえにくい低周波音による頭痛や不眠などの健康被害について、1970年代から調べてきた和歌山市西高松の医師、汐見文隆さんの講演会が17日、同市西汀丁の市勤労者総合センターであった。被害の実態の把握や対策は進んでおらず、汐見医師は「症状を感じる人がいるという『結果』から原因を考えるべき」と訴えた。
低周波音は周波数100ヘルツ以下で機械音などの中に該当する周波がある。汐見さんは74年、同市の繊維工場の隣に住む夫婦を知り、問題に取り組み始めた。この日は、これまで出合った例について紹介。同居の家族や同じ地区の住人の間でも、症状が生じる人と生じない人がいると指摘し、「本来は右脳で受け入れる低周波音を、言語を担う左脳で受け入れるようになると、被害が起きる」と推定した。
また、風力発電機の近くに住んでいた県内の60代の女性が「耳鳴りや不眠が数カ月続いた後、倒れたので、やむを得ず引っ越した」と体験を話し、汐見さんは「神経質なおかしい人と決めつけて放置すべきでない」と述べた。【久木田照子】
この時の対応も、「県はこれまでに4、7月の2回、20ヘルツ以下の超低周波を測定できる機器で調査したものの、国の参照値を上回る騒音は出ていなかった。環境管理課では「最も風の強い11月ごろに第3回目の測定を行う」と答弁。また、さらに被害を訴える人が出た場合について、福祉保健部が「保健所の健康相談などで対応していく」と述べている。
折しも、環境省から「姫神ウィンドパーク事業等に係る環境影響評価準備書に係る環境省意見の提出について」なるものが報道発表(20120924)されている。ここでは、岩手(盛岡)、和歌山(有田、海南)、秋田(能代)の意見書を出している。
因みに「有田風力発電所建設計画及び(仮称)沖山風力発電所建設計画に対する環境省意見」などの例により「6.騒音及び低周波音について」を見ると、
「(2)他の風力発電所との複合的な環境影響について
周辺には、複数の既存又は環境影響評価手続中の風力発電所が存在するため、これらとの複合的な環境影響を予測・評価するよう努めること。
6.騒音及び低周波音について
(1)調査及び予測地点の設定について
対象事業実施区域及びその周辺区域の住居、病院、学校等の位置等を把握した上で、適切な範囲及び位置を調査及び予測地点として追加すること。
(2)環境保全措置及び事後調査の再検討について
風力発電設備の近傍に多数の住居等が存在すること、住居等までの距離が短いことなどから、低周波音の環境影響評価の結果を踏まえ、必要に応じて、風力発電設備等の配置等を含めた環境保全措置について再検討するとともに、事業者が講ずる環境保全措置による影響の低減効果について定量的に予測及び評価すること。
特に、低周波音については影響や対策の効果に不確実性があることから、騒音及び低周波音の事後調査の実施及び事後調査の結果を踏まえて検討すべき追加的な環境保全措置について、例えば、稼働時間の調整等を含めて、可能な限り具体的に評価書に記載すること。
等と、周辺の被害を知りながら知らない振りで、”とにかく既設とも新規の近接風力発電とも近くの近所とも上手くやってね。これ以上風車被害の文句を増やさないでね。とにかく言うことは一応言っておくよ。”というのが、環境省のスタンスなのだろう。
この事業は安藤建設株式会社なのだが、これは「度会・南伊勢風力発電事業」の会社と同じかな?とすればエラク派手に風力発電事業を展開しているようだ。安藤はハザマと平成25年4月1日に合併するので少しでも内容を良くしておこうなどとか思ってかなとも思ったのだが、合併比率は既に、、ハザマ:安藤建設=1: 0.53と決まっていた。今日(120924)の株価を見てみるとハザマ161円:安藤85円で、計算すると1::05279と何とも素晴らしく比率を保っているではないか。
建設が始まるのは、合併以降だろうから、実際にはハザマが流れにあたるのだろうが、その際、契約は安藤、実施はハザマで、いざとなって「昔の事は知らない」などと言うことにはもちろんならないだろうがと、心配性な私としては思ってしまうのだが。
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120923
最後まで読んでくれて有難う