National Wind Watch
(NWW)
全国風力発電監視団
“National Wind Watch=NWW”と言うサイトをご存じであろうか。上のロゴの右の文を訳せば、「産業用風力発電についての諸事実を提供する」とでもなろう。このサイトが他の風力発電サイトと違うのは、風車賛成の諸機関とは真反対の否定的事実を全世界的に収集して提供しているサイトである。あまり日本には(文化情報英語鎖国のため多分全然)紹介されていないようで、適当な日本訳が見あたらないので、ひとまず活動内容からして、「全国風力発電監視団」とでもしておく。
因みに、このサイトの、”ABOUT”を"機械訳"すると、
全国的な“風時計”は、地方の、そして野生の場所を不注意な産業の風エネルギー開発から救うために働いているグループと個人の連立である。
このウェブサイトは、文書化し、私達のライフの環境、経済、および品質への工業規模風力タービンのネガティブな影響の自覚を促進するために作成された。
エネルギーセキュリティと汚染物質と他の排出を減らす必要は重大な問題である。
従って、私達は、有意義にこれらの問題に対処し、実のところ大きな害を及ぼすことに失敗する象徴的な、または「満足感を与える」身振りによって気を散らされるべきでない。
私達は産業の風開発の利点とコストの知的に公正なアセスメントを主張する。
私達の目的は、産業の風力発電について事実を捜している個人と地域団体のために情報と補助の資源であることである。
情報を共有し、互いを強化するために、全国的な風時計は多様なグループのために方法を提供する。
私達はすべて私達の時間と資源への多くの他の要求を持つ無給のボランティアであるけれども、この努力を、私達の世界を保護することへの重要な寄与と考える。
私達はどのような産業または政治的な興味からもサポートを全然受け取らない。
私達の出資は心配した個人からだけ来る。
となるので、およその意味は解るであろう。訳文中の「時計」はwatchであるから、この場合は「監視」と解釈してほしい。
このサイトでは”Key Documents”(重要書類)として、以下の4編が紹介されている。
@"A problem with wind power," Eric Rosenbloom [90-KB PDF]
A"The wayward wind," Jon Boone [151-KB PDF]
B"Wind turbine syndrome," Nina Pierpont, testimony before the New York State Legislature Energy Committee, March 7, 2006 [68-KB PDF]
C"Wind power in West Denmark. Lessons for the UK," Vic Mason, October 2005
機械翻訳でザッと中身を眺めたところ、
@ 「風力発電に伴う問題」は風力発電が持つ多くの問題点を幅広く総合的に社会学的に考察している。
A 「厄介な風」は社会政策的観点から風力発電を総合的に論じている。
B 「風電症候群」は風力発電によって生じる健康被害を提起している。
C 「西デンマークにおける風力。英国への教訓」は風車先進国デンマークを例に風車産業の問題点を指摘している。
で、@がどうも基調論文らしく、また私は一番気に入ったので、少し紹介したい。なお、日本語は機械翻訳を元にしているが若干は私の恣意が入っているかも知れないので、興味のある方は原文に当たってもらいたい。
1998年に、ノルウェーはデンマークの風力発電の研究を委任した。その結果、風力発電は「環境に重大な影響を及ぼす、生産性が不十分である、および、電力の生産費が高い」と断定した。
その例として、
@既に、19%の発電量に等しい6,000個を超えるタービンが有るにも拘わらず、従来のどの発電所も閉鎖されていない。
A風の間欠性と変動性のため、電力の供給量が不安定であり、従来の発電所は、実需と見合うために今もってフル稼働しなければない。
風の有る無しで、多くの風車は、単にオンとオフに切り替えたり、迅速な傾斜の角度変更のため、実際上の汚染と二酸化炭素の発生量を増大させるであろう。風が実際にタービンを適切に吹き飛ばしている時は、通常、それらが生成するパワーは過剰であり、極めて割引された価格で他国に販売されるか、タービンは止められなければならないはめになる。また、強風下においては、皮肉にも、それらは容易に破損するので、タービンは停止しなければならない。
2000年で見ると、デンマークは、輸出したより多くの電気を輸入している()。風車タワーを建てている事業会社をサポートする補助金は電気消費者の電気料金請求書に追加される。デンマークの電気コストは欧州に於いて最も高い。
風力発電は変動が激しく、冷房と暖房が最も必要とする時は、風況の良くない時と一致している。風力発電の発電量はあくまで予測の範囲内でのみ可能である。
デンマークの風力発電開発は効果的に留まっている。しかし、デンマークの会社が風力発電産業を支配するので、政府には、それらのサポートを続けることに対する負担がある。ドイツは風力発電に対する税制優遇措置を減らしたため2004年の国内での建設は大幅に遅れた。スイスでは風力発電の重要な利点の不足と、対価の高騰に連れ補助金を削減している。オランダは2004年に90個のタービンの稼働を止めさせた。
風力発電は、エネルギー生産の他の方法の環境、経済、および政治の負担を減らさない。風力発電が従来のパワー使用の現象を招かないなら、それらの製造、輸送、建築は、ただ、汚いエネルギーの使用を増大させるだけである。風力発電の存在は、むしろ、人々に、より多くのエネルギーを使う“許可証”を与えさえするかもしれない。従って、風力発電地帯は置換ではなく、むしろエネルギー供給の増加を構成している。
風力発電は実は、上へも下へも非常に大きい。地盤の弱い泥炭地ではダメ。素材の重量は既存の道路を壊す。そのような建築が野生の山頂で形成する破壊的な影響は明らかである。風力発電自体の存在及び、送電線、変圧器などが存在するには、連絡道路の自然への浸食、水流の分裂、野生動物の生息地と植生の破壊がなされる。また、風力発電タワーは、よりよい風効率のためには近辺の樹木が取り払わなければならない。また、近辺の植物は除草剤によって抑圧されて、さらに土と水を害しているであろう。土地の利用効率が非常に悪い。
ローターブレードのスパンがボーイング747ジャンボジェット機の翼幅(※1)より大きいことを自慢するが、その基礎と台座を含めて、典型的な1.5MWの規模は自由の女神より2階分高い(※2)。
※1 80m
※2 自由の女神は台座を含めると約93m。1階分は多分4mとすると101m。日本の「くらべてみよう」では新幹線5両分。ビル24階建て。
風車は小鳥をスライスしてしまうので死体は見つからないか、あるいは風車の近くには人を行かせないので解らない。1つのタービンタワーが毎年20〜40羽の鳥を殺すことが、公式に認められている。それには風力タービンのために、風車は、ある程度低く、均一である事が問題である。
新しいタービンはより静かなベアリングを持つギアなのだが、莫大に磁化された発電機は、低周波をブンブンと生み出さざるを得ない。また、各ローターがタワーを通過するたびに、空気の圧縮は深い反響音を引き起こす。その音は、オートバイと同じくらい騒々しく、「決して到着しない列車のように」、「誰かが空にセメントを添えていたかのように」、「頭上で継続的に通過している航空機」、「レンガをタオルに包んで、回転式乾燥機でまわしているように」、と説明される。また、それは近づいてくる嵐からの絶え間のない雷のような無情な騒音である。これらの音はマスキングができない。それは音の物理的状況と質の違いである。その状況は夜と冬の場合である。
アメリカ風エネルギー協会(AWEA)は、タービンが800フィート(244m)離れていても完全に聞こえると認める。
米国全国風調整委員会(NWCC)は、「風力タービンは、しばしば、それらが目立った場所に設定された場合、非常に目に付く構造であり、それは近くの居住者に気がかりとなるかもしれない」と述べている。また、風力タービンはどのような住居からでも半マイル(約800m)より完全に近くない距離で取り付けられるように勧める。
ドイツのRetexo-RISP社は、タービンはどのような住居の2km(1.24マイル)以内にも置かれないと指定する。
ドイツ、ウェールズ、およびアイルランドのコミュニティは、3,000フィート(914m)の向こうでさえ、騒音は重要であると主張する。
風力タービンが稼働している時に、周辺住民は窓を閉じ、エアコンをつける必要があると言う。農村地域の風下では3マイル(4.8Km)離れていても重要な騒音公害を被っている。これらの地域では家の固定資産税は家の価値の20%が割引された。
ベロイト・デイリー・ニュースでは、「どのようなノイズのようにでも、あなたがそれが好きでないならば、あなたの脳は、それに集中しようとしている」と述べている。
風力発電企業は、一面の上の反射光と他の上の影のちらつきのせいで人々と動物は気が変になりそうであると認めている。赤いライトは、夜間に活動する鳥を引き付けると考えられる。
氷の問題としては、その重みで壊れることもある。大きな破片は近くに落ちるが、細かい破片はどこか解らないところへぶっ飛んでしまう。
エンジニアリング保険業者の国際的な協会は火災を警告する。「風力タービンの中の火災による損害は、通常、タービンが速度を落としている時に、過熱したベアリング、稲妻の衝突、放電火花によって起こされる」。風力タービン損害に対して支払われた保険金請求の80%が稲妻によって起こされたと算定した。
稲妻は、ブレードコーティングを剥離させることによって、効果を無くさせ、多くのタワーを破壊する。ブレードが回転し続けるならば、その不均衡はタワー全体を倒すこともできる。
私達のエネルギー源を多様化することは賢明である。しかし、大規模な風力発電に投資されたお金と立法上の努力は、化石燃料と核燃料の使用を減らす目標を達成するためにもっとずっと効果的に使われることができた。例えば、米国のすべての家族が1つの白熱電球をコンパクトな螢光灯と取り替えれば、1つの原子力発電所を閉鎖することができる。
私達は、技術的に高度な産業界の中に生きに必要なトレードオフがあり、化石燃料は尽きるであろうし、地球温暖化は遅らせなければならず、化石燃料と核燃料の調達と輸送が環境、政治的で、社会的に破壊的であることは知っている。
以下が結びの文であるが、どうも含蓄に富んだ文で上手く訳せない。
Every effort is made to maintain the illusion that they are in fact a solution when a few simple questions reveal they are not.
拙訳では、「すべての努力は、少しの単純な疑問が、実は単純な疑問ではないと明らかになった時、それらが実のところ解決策であるという錯覚を維持するためにされる。」とでもなろう。
”頂き訳”「(『風力発電は実はエコ(解決策)でないんじゃないの?』と)素朴な疑問がウソを暴いた場合でさえ、『ほんとに解決策なんだよ』という錯覚を見せ続けるため、あらゆる画策が行われる。」(by
研究しつつ京都で華道(3K)さん(12/03/10)
と言うことで、文章を20%くらいにしてしまったので、筆者の意図が充分伝わっているかどうか心許ないが、要は、様々な害をもたらし、効率的ではない風力発電は止めて、エネルギー源の多様化、例えば、太陽エネルギー、ハイブリッドガス、電気自動車などと、建物・製造・輸送の効率改良などで代替すると共に、現在のエネルギー消費量を押さえるなど、様々な別の方法を考えようではないか、と言う点に有るのでは無かろうか。
080611
上掲の@"A problem with wind power," Eric Rosenbloom [90-KB PDF]の全訳をしてみた(101017 風力発電問題 A Problem With Wind Powerby Eric Rosenbloom)。この時期の私の未理解が少しでも修正されされれば良いのだが。
101017
最後まで読んでくれてありがとう。
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