エコキュート運転音による健康被害事件について 弁護士からの報告とメッセージ

 拙サイトに群馬県高崎市の弁護士法人井坂法律事務所による「エコキュート運転音による健康被害事件について 弁護士からの報告とメッセージ」というコメントがありました。ブログを拝見し、低周波音問題の認識、法的な最終意図に於いて、低周波音問題の一関係者として賛成票一票を投じる意味で当サイトでも紹介させていただきます。

 その前に、これまでの現実においてエコキュートを源とする低周波音に関する被害者はそれなりに存在するにも拘わらず、それらを具体的に採り上げた弁護士の言は表だってはと言うより私が知る限りのサイト上にはもちろん、低周波音被害関係団体からも聞いていません。

 もちろん、低周波音被害関係者団体も最終的な被害者の救済にはどうしてもそれなりの弁護士が必要であり、それなりの弁護士を求め係争が為されたのですが、はっきり言って、こうした事案を内容的に精通し戦うことはその結果から言えば、被害者は勿論弁護士的にも「労多くして益無し」と言うことで有ったと私は認識しています。

 現在も依然、適切な弁護士を見つける事自体困難な状態です。こうした事態を招いた一つの状況が数年前にありました。即ち、被害者のために弁護士を探していた団体関係者が掴んだ情報に依れば、その昔、低周波音問題に係わったことのある弁護士が東京弁護士会内部に於いて「低周波音問題は採り上げても勝てないから採り上げるな」と言うような”怪文書”ならぬ、”低周波音問題事案裏対策マニュアル”が少なからずの弁護士に密かに出回らせたと聞きました。

 しかし、その後、ここ2,3年で、エコキュート騒音問題、風車騒音問題と低周波音に関係する騒音被害は急激に増えてきて、やっとマスコミも採り上げ始めました。もちろん、風車問題については新たな問題であり、明らかに「増えた」と言うことになりますが、エコキュートを代表とするこれまでの低周波音問題は増えたと言うよりむしろマスコミの報道などにより「それまで潜在していた被害が顕在化」してきたと言えると考えています。

 できればこうした問題は、被害関係者内ではその数もそれなりに多く、私個人としては企業相手に集団訴訟の形が理想なのですが、それは中々に難しいようです。


 さて、前置きが長くなりましたが、井坂弁護士の話については直接ブログをご覧頂くとして、

氏が挙げるこの事案の特徴としては以下の4点です。

第1は、エコキュート運転音(低周波音)によって被害者に生じる健康被害が明確でなく、個人差が大きいことです。
第2は、被害を訴えて救済をもとめることが隣人との摩擦・対立を招く結果になるという点です。
第3は、改善を求めるなどの責任を追及していこうとすると、隣人の先に住宅建築メーカー、さらにその先にいる製造メーカーと、結局は一個人が大企業を相手に争うことになり、その意味でも大変な勇気・決断が必要となるという点です。
最後は、現在「公害」と認識されている他の公害、例えば「騒音」と異なり、エコキュートが発する音(空気振動)、つまり低周波音が「公害」の発生源として認知されいない、まだ歴史的・社会的に非常に新しい問題であるという点です。

 そして、問題の最終責任を

「違法性」や「因果関係」など法的な問題は今後の検討課題であり、私自身勉強中です。しかし、司法的判断はともかくとして、製造メーカーが個別の事案について解決の鍵を握っているとことは間違いないと考えています。

 なお、この事件の公害等調整委員会における「展開については適宜このブログで報告したいと思います。」と言うことであり注目していきたいと考えます。

 そして、<エコキュート運転音による被害について悩む方々への弁護士による無料相談>をされるとのことです。現在被害の最中にある方は一度連絡をとってみたら如何でしょう。連絡先等は弁護士法人 井坂法律事務所

<最後に>
 正義と衡平の感覚を具体的に示し、企業活動と人間の尊厳との関係につき、発想の転換を促し、司法の威信を回復した名判決と評される『阿賀野川・新潟水俣病事件第1次訴訟判決』の判決文の一部を引用して、このブログを締めくくりたいと思います。

 『企業の生産活動も、一般住民の生活環境保全との調和においてのみ許されるべきものであり、住民の最も基本的な権利ともいうべき生命、健康を犠牲にしてまで企業の利益を保護しなければならない理由はない』


 とのことであり、当に字面の如き「法灯」となっていただきたいと思っているところです。

 勿論、エコキュートも風車も問題の責任所在を究明するにはどうしても最終的には低周波音問題に行き当たります。そして、この問題にはれっきとした被害者の存在があるにも拘わらず専門家、低周波音関係者からは白黒つけるような明確な発言は全く得られていません。問題の解決に依然困難が伴うはずです。しかし、こうした人が一人でも増えることにより、一つ一つの事案がつまびらかにされ”闇のデータ”に日が当てられ、産官学、そして、司法の黙殺状態に一穴が穿かれることを祈念せざるを得ません。


最後まで読んでくれて有難う

110111


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