エコキュートを買う前に
エコキュートは本当に”経済的にお得”で、静かなのか
"科学的"知見の欺瞞 5/12
3.理論的"詐欺"
3−1.エコキュートとエコアイス
エコキュートとエコアイスの騒音をダイキンで使われているのと同じ理論で比べてみる。ただし、この「理論」というのは単にダイキンの理論ではなく、エコキュートで見たのと同じく“物理の(騒)音の理論”であることを一応ダイキンのために付け加えておく。
エコキュートは静音性として39dBを強調しているのでそれを使うと、エコアイスの低騒音制御時の一番低いところで50dBであるが、計算上都合良く50〜53の中で51を採ると、両者では51-39=12dBの差が出る。これは3dBの4倍、くどいが理論的には“音の大きさは3dB下がると半分になる。と言うことは当然ながら逆に「3dB上がると2倍大きな騒音」になる”ので、12dB音が大きいエコアイスはエコキュートに比べて2の4乗倍、即ち2×2×2×2=16倍の騒音がすることになる。
宣伝のごとく
「半分の騒音」が静かというなら、
「16倍の騒音」は”もの凄い騒音”がする事になるはずだ。
半分の騒音を「宣伝」するなら、16倍の騒音は当然「轟音として警告」すべきではないか。
環境基準をクリアするための計算はエコアイスに限らず騒音を出す機器では上記の方法によるのだが、これは音の理論からすると正しくて、例の感覚閾値にも使われている「対数」曲線の妙技なのだが、これはまた別の機会に。
私の個人的感覚としては、「45dBのエアコン2台分の音と48dBエアコン1台の音が、同じ大きさに聞こえるという事です」と言う物理の理論の話自体は理論的には納得したくないし、「感覚的」には全く納得できない。要は、物理の音の世界の理論では「45+45=48」になるという話しなのだが、それが到底納得できないのは、単に私が物理に馴染まない人間だからであろう。
しかし、少なくとも1台の爆音マフラーのアイドリング音より、少し小さな音の2台の爆音マフラーのアイドリング音のほうが私は煩く思うがどうであろか。これは単に感覚だけの問題ではなく現実的には共鳴音や唸りも関係してくるのでやはり実は大きい騒音になるのではなかろうか、と考える。
3−2.2台は疲れる
その「実感覚」を私は音楽鑑賞と言う形で試してみた。ある値段以上のステレオ装置ではスピーカーの切り替え装置がA、B、A+Bと付いている。これは2組のスピーカーを接続し、音楽の種類により、より適した音色のスピーカーの方に切り替えるためのモノで、具体的にはクラッシックとポピュラーとかジャズ、オーケストラと独奏等と言う場合を想定しているのであろうが、これをA+Bで二組のスピーカー-を同時に鳴らすとどうなるか。
確かに音は聴感上そんなに大きくなったとは感じず、少なくとも2倍の音が出ているとは感じない。元々同じスピーカーを2組繋いでいるわけではないので正確でないのは承知の上であるが、しかし、何となく音に厚みが出てくる。そして、そのままで、少し長い間聴いていると、耳と頭が非常に疲れてくる。スピーカーの音の質のバランスがマッチしない可能性もあろうが、元々騒音にマッチングなど考えているはずがないので、ひとまず音の情報量がそれだけ多くなっていると言うことではなかろうか。
と言うことで、これを証明するため少々実験してみた。音をミックスできるPCソフトを使い音楽ファイルを@完全2重録音、A1秒ずらして録音、B4秒ずらして録音、C2重録音したモノを2重録音、即ち4重録音してみた。
結果、@とCでは明らかに音に厚みができ、AとBはガチャガチャな音楽となり煩く感じるだけであった。これらがそれぞれ元のファイルよりデータサイズ(音の容量)が大きくなれば音の情報量が増えていると言うことが証明できると思ったのである。が、そうは問屋が卸さない、これらの全てのファイルのサイズはピッタリ同じであった。単純な話、音の物理的情報量は同じであると言うことである。この実験でいけば同じ大きさの音の室外機なら2台でも4台でも騒音の情報量は同じであると言うことになる。それにしても恐るべきは物理の理論である。ではこの「耳と頭」の疲れの原因はなんであろうか。
因みに家庭のステレオの音は大き目の音で大体80dB程度である。これは大洗海岸、新幹線走行(横12m)に当たる。音が楽音となるか騒音となるかは、単純に音の大きさ(dB)だけでは測れないと言うことだけは解るのではなかろうか。
物理的に“音が大きければ問題有り、小さければ(さらには聞こえなければ)問題無し”という理論は人間の聴感覚に当てはめることはできないと考える。
やはり騒音の問題点は別の所、例えば、音の質、例えば、音色などにあるのではなかろうか。