近隣騒音で殺人or殺人未遂or 傷害 

騒音レベルは沖縄・普天間爆音ほどではないと思うけれど


Hマンションで男性刺され死亡、騒音巡りトラブル…吹田 騒音被害者が加害者

 9日午前9時30分頃、大阪府吹田市日の出町のマンション近くにいた男性から、「男同士がマンションでけんかして、包丁を持って暴れている」と110番。府警吹田署員が駆けつけたところ、1階の一室で60歳代の住人男性が胸や腹を刺され倒れていた。そばにいたマンション3階に住む韓国籍の無職、金實虎容疑者(59)が「包丁で刺した」と認めたため、同署は殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。

 刺された男性は、病院に搬送されたが、約3時間後に死亡した。同署によると、2人は顔見知りで、騒音を巡り、トラブルになったという。

2010年10月9日  読売新聞)
 9日午前9時半ごろ、大阪府吹田市日の出町のマンションで、「住人がけんかをしていて男が包丁を振り回している」と110番があった。吹田署員が駆けつけたところ、1階の部屋の玄関付近で住人とみられる男性が胸から血を流して倒れており、現場にいた男が刺したことを認めたため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。

 吹田署によると、男はマンションに住む無職、金実虎容疑者(59)。「騒音の苦情を言いにいってトラブルになった」と供述しているという。倒れていた男性は病院に搬送されたが、死亡した。現場からは血の付いた包丁が見つかった。


 一般的には、ドアの開け閉めや、2階で物音を立てたり、咳が煩いとか、大声で煩いとかで、殺されそうになっていては堪ったモノではない、と思う人は騒音加害者に十分になりうる人で、下手をすれば騒音被害者になる可能性もある。と言うのは、こうした人は自分が騒音を出して誰かに迷惑を掛けているかも知れないという認識と言うより、意識が無く、ある日突然が”自称騒音被害者”から危害を加えられることがないと言えない。
 将にエコキュートやエネファームによる加害者がそれである。流石に最近はそれらの設置により、低周波音で被害者が出るかもしれないと言う知識が普及はしてきたが、それでも別に違法というわけではないし、相手がどうなろうが、知ったことではないと言うような人であろう。
 こうした人たちが万が一にも危害が加えられるような場合の、その時の加害者の心情は、その騒音がこの世の全ての問題で、「その騒音さえ排除すれば、現在自分が置かれた不幸は全て解決するように思えている」のである。

 こうした個人が出す騒音で音源がハッキリ判っていて相手が特定の個人なら「騒音源は元から絶つ」のが一番手っ取り早いし、実はそれが確実であり、現実的にそれが可能である。そうした結果が上記の様な例である。これらが発作的なのか、計画的なのかは判らないが、私が考えるには、日々の中怒りが盛り上がり、行動が徐々に計画され、そして、”犯行”は発作的に衝動的に行われるのであろう。こうした事件がは計画性の有無は別として、決して一時的な衝動や発作により為される場合は非常に少ないと考える。ま、いずれにしても、仮に罪に問われても騒音被害者=この場合は加害者、はその後、安らかな眠りにつける様になることはだけは間違いないなかろう。

 ところが、相手が、工場、電車、道路、飛行場、もちろん風車などでは、そうそう簡単にこうして音源を断つことができない、これらの騒音源は現実的に大規模で、一人でそうそう簡単に排除できる訳もない。その上、万が一にも騒音被害者が必死の思いで、騒音源に何かしようものなら十分に目的を遂げることも出来ず、不法侵入とか、器物破損とか、業務妨害とかで逮捕されてしまうと言う、”殿中松の廊下の浅野内匠頭”常態になること請け合いである。そうした事態が容易に想像が付くため、多くの騒音被害者は「一線」を越えずに留まっているのである。
 
 しかるに騒音源側は仮に環境基準などという”紳士協定”に違反していたところで、直ちに法的に処理される様なことはない。それらの活動は企業的に、公的に、国益的に個人の利益に優先するからである。騒音被害者に限らず基本的に被害者というモノは間違いなくヤラレ損なのである。特に音を元とする感覚公害ではこうした状況は現在の所、法的に改善されることはほとんどない。だから、沖縄「普天間爆音訴訟」控訴審判決で低周波被害を法的に初認定したと言うことは極めて重要なのである。


 特にこうした問題に率先して取り組むべきはずの環境省は、例えば、風車騒音問題に限ってみれば、具体的には2010/7/21 中日新聞に依れば、

 風力発電と健康被害の関連性調査へ 東伊豆で県が騒音や低周波測定

 風力発電施設と健康被害の関連性を調べるため、県は8月、環境省の委託を受け、県内では初めて東伊豆町の風力発電施設の実態を調査する。20日に開かれたくらし環境委員会で、県側が明らかにした。 (美細津仁志)

 調査は環境省が2009年度から4年かけて取り組む実態把握調査の一環。県環境衛生科学研究所(静岡市葵区)が、東伊豆町奈良本の風力発電施設「伊豆熱川ウインドファーム」で実施する。風車が停止している状態と稼働している状態、風車と民家の距離に応じた騒音や低周波を比較し、人体への影響を調べる。

 県によると、伊豆熱川ウインドファームは、民間会社「クリーンエナジーファクトリー」(北海道根室市)が今年1月、風車10基を試験稼働した。その後、地元住民から環境省に「眠れない」「血圧が高くなった」などの苦情が寄せられたという。

 風力発電と健康被害の因果関係は現在のところ不明。環境省は愛知県と愛媛県の3カ所で同様の調査をしており、一部で低周波音を確認している。東伊豆町の測定結果は来年3月をめどに公表される見通し。

 県内にある風力発電施設は19カ所60基。伊豆熱川ウインドファームは高さ120メートルの風車が10基あり、1基当たり1時間に1500キロワットを発電するという。


 と言う報道があり、てっきりいよいよいわゆる「疫学的調査」が始まるのかと思ったのだが、その後その筋からの連絡に依れば、「”風車からの騒音の騒音源を調査する”と環境省は言っている」と言うようなことであり、「国が”こう”と言っても地方がそのまま国の言うことを聞けるわけでもなく…」と言うことで、事の真偽は調査が始まってみないことには判らないが、それしても何とも当てのないことである。
 4年かけると言う調査はあくまで「実態把握調」であり、それは4年後には風車騒音問題を解決するなどとは一言も言っていない。4年掛かって”白黒つけられるかも知れない”データを集めるなどとは言っていない。集まらなければそれまで、と言うことなのであろう。

 そう言えば、以前見たような気もしたが、確かに、環境省の平成22年度「環境研究総合推進費」新規採択研究課題の概要 戦略的研究開発領域 S2-11 「風力発電等による低周波音の人への影響評価による研究」【3】 [PDF 348KB]  研究代表者:橘 秀樹(千葉工業大学附属総合研究所) によれば、

5.研究項目及び実施体制
@研究総括(千葉工業大学)
A風車騒音の実測調査(千葉工業大学、日本騒音制御工学会)
B地域住民に対する影響調査(千葉工業大学、日本騒音制御工学会)
C風車騒音に係る聴感実験(東京大学生産技術研究所)
D関係資料の収集(千葉工業大学、日本騒音制御工学会)

 と言うことで、今回の調査はAに当たるのかも知れない。とすれば環境省の話と一致しないでもない。しかし、これらは全て既にある程度実施されているのではなかろうか。まー、それらの”更なる研究”と言うことであろうが、千葉工業大学附属総合研究所は”産官学融合センター”であるようだから、そこから被害者サイド的に何か有益的な「総括」が出てくるように思えないのだが。


 久しぶりにNWWを見たらこんなイラストが有った。どうも補助金問題は日本だけの問題ではないようだ。


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